建物の耐用年数一覧|木造・軽量鉄骨・鉄骨・RC造の構造別・用途別と、中古・内装工事の扱い

アパートや事務所、店舗、倉庫などの建物を事業に使うときは、建物の代金を法定耐用年数に分けて経費にしていきます。建物の法定耐用年数は、構造(木造・鉄骨・鉄筋コンクリートなど)と用途(住宅・事務所・店舗など)の組み合わせで決まります。

この記事では、建物の法定耐用年数を構造別・用途別に一覧にし、間違えやすい軽量鉄骨の区分、中古の建物の年数、内装工事や借りた建物の造作の扱いを説明します。耐用年数そのものの意味は耐用年数とはで、建物以外の資産の年数は法定耐用年数の検索と耐用年数表で確認できます。

建物の法定耐用年数一覧(構造別・用途別)

構造住宅・店舗事務所飲食店旅館・ホテル・病院工場・倉庫(一般)
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)・鉄筋コンクリート造(RC)住宅47年
店舗39年
50年41年39年38年
れんが造・石造・ブロック造38年41年38年36年34年
金属造(骨格材の肉厚4mm超)34年38年31年29年31年
金属造(骨格材の肉厚3mm超4mm以下)27年30年25年24年24年
金属造(骨格材の肉厚3mm以下)19年22年19年17年17年
木造・合成樹脂造22年24年20年17年15年
木骨モルタル造20年22年19年15年14年

住宅用には、寄宿舎・宿泊所・学校・体育館用も含まれます。鉄筋コンクリート造だけは、住宅用(47年)と店舗用(39年)の年数が分かれています。鉄筋コンクリート造の飲食店・旅館・ホテルは、延べ面積のうち木造の内装部分が3割を超えると短くなります(飲食店34年、旅館・ホテル31年)。工場・倉庫は、腐食性の薬品や冷蔵倉庫など、使い方によってさらに短い年数が決まっています。

出典:減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表第一「建物」(e-Gov法令検索、令和8年5月22日施行の版)。最終確認日:2026年10月18日。すべての区分は耐用年数表(別表第一)で確認できます。

軽量鉄骨・重量鉄骨は「骨格材の肉厚」で決まる

鉄骨造の建物は、省令では「金属造」として、骨格材(柱や梁などの鋼材)の肉厚で3つに分かれます。住宅用の場合の年数は次のとおりです。

骨格材の肉厚一般的な呼び方住宅用の法定耐用年数
3mm以下軽量鉄骨19年
3mm超4mm以下軽量鉄骨27年
4mm超重量鉄骨34年

「軽量鉄骨」「重量鉄骨」は省令の言葉ではなく、一般的な呼び方です。税金の計算では、呼び方ではなく骨格材の肉厚で区分を決めます。境目は3mmと4mmで、「6mm以上が重量鉄骨」といった建築の分け方とは違うので注意してください。軽量鉄骨のアパートや住宅でも、肉厚によって19年と27年のどちらにもなり得ます。肉厚は、建物の設計図書(構造図)や、ハウスメーカー・施工会社に確認するとわかります。

建物の減価償却の決まり

たとえば、事業用に建てた木造のアパート(建物3,000万円、法定耐用年数22年、定額法の償却率0.046)なら、1年分の減価償却費は 3,000万円 × 0.046 = 138万円です。年ごとの額や、年の途中から使い始めたときの月割は減価償却費の計算で出せます。

建物附属設備の主な法定耐用年数

建物附属設備法定耐用年数
電気設備(照明設備を含む。蓄電池電源設備を除く)15年
給排水・衛生設備、ガス設備15年
冷暖房設備(冷凍機の出力22kW以下)13年
エレベーター17年
消火・排煙・災害報知設備8年
店用簡易装備3年

平成28年4月1日以後に取得した建物附属設備は、建物と同じく定額法だけです。エアコンを建物附属設備と器具備品のどちらで扱うかは、エアコンの耐用年数で解説しています。

中古の建物の耐用年数

中古の建物を事業用に買ったときは、新築の法定耐用年数ではなく、残りの使える年数を見積もって使えます。見積もりが難しいときは、簡便法で次のように計算します(省令第3条)。

例計算耐用年数
木造アパート(22年)・築30年22年 × 20% = 4.4年4年
木造アパート(22年)・築10年(22 − 10)+ 10 × 20% = 14年14年
軽量鉄骨アパート(27年)・築15年(27 − 15)+ 15 × 20% = 15年15年
RCマンション(47年)・築20年(47 − 20)+ 20 × 20% = 31年31年

築年数の古い木造アパートほど耐用年数が短くなり、1年あたりの減価償却費が大きくなります。ただし、買ったあとに事業に使うために行った改修(資本的支出)の金額が建物の取得価額の50%を超えるときは、簡便法を使えません。月単位の経過年数でも計算できる中古資産の耐用年数の計算で、自分の物件の年数を出せます。

内装工事・借りた建物の造作の扱い

自社の建物の内装工事

自社が持っている建物の内装(間仕切りの壁、天井、床など)は、建物附属設備に当たるものを除き、建物に含めて建物の耐用年数で償却します。たとえば鉄筋コンクリート造の建物に木造の和風の内装をしても、内装だけを木造の年数にすることはできません(耐用年数の取扱通達1-2-3)。

借りた事務所・店舗の内装工事

テナントとして借りた建物に内装工事をした場合は、次のように扱います(同通達1-1-3)。

出典:国税庁「耐用年数の適用等に関する取扱通達」1-1-3、1-2-3。最終確認日:2026年10月18日。

自宅の建物と減価償却

自分で住んでいる自宅は事業に使っていないので、減価償却費を経費にすることはありません。ただし、自宅を売ったときは、譲渡所得の計算で建物の取得費から減価償却費相当額を差し引きます。事業に使っていなかった建物は、法定耐用年数の1.5倍の年数(1年未満は切り捨て)に対応する旧定額法の償却率で、次のように計算します。

減価償却費相当額 = 建物の取得価額 × 0.9 × 償却率 × 経過年数(取得価額の95%まで)

構造木造木骨モルタル(鉄骨)鉄筋コンクリート金属造(肉厚3mm以下)金属造(肉厚3mm超4mm以下)
非業務用の償却率0.0310.0340.0150.0360.025

経過年数は、6か月以上の端数を1年とし、6か月未満の端数は切り捨てます。自宅の一部を賃貸や事業に使っている場合は、その部分について通常の減価償却をします。

出典:国税庁 タックスアンサー「No.3261 建物の取得費の計算」(令和8年4月1日現在法令等)。最終確認日:2026年10月18日。

法定耐用年数と建物の寿命

法定耐用年数は、経費に分ける期間を決める税法上の年数で、建物が使える年数ではありません。木造住宅の法定耐用年数は22年ですが、手入れをすれば22年を過ぎても住み続けられます。不動産の広告などで「耐用年数」と書かれているときは、寿命の意味のこともあるので区別して読んでください。

アパートの購入や建て替えでは、銀行が融資の返済期間を、法定耐用年数の残りの年数をもとに考えることがあります。借入の余力の考え方は会社の借入可能額の考え方で解説しています。

よくある質問

骨格材(柱や梁などの鋼材)の肉厚で決まります。住宅用の場合、肉厚が3mm以下なら19年、3mmを超え4mm以下なら27年、4mmを超えるもの(一般に重量鉄骨と呼ばれるもの)なら34年です。肉厚は建物の設計図書や、ハウスメーカー・施工会社への確認でわかります。

残りの使える年数を見積もるのが難しい場合は、簡便法で「法定耐用年数×20%」の年数(1年未満は切り捨て、2年に満たないときは2年)を使えます。たとえば木造のアパート(法定耐用年数22年)なら、22年×20%=4.4年で4年です。

国税庁の通達では、借りた建物にした造作は、その建物の耐用年数や造作の種類・用途・材質などから合理的に見積もった年数で償却し、電気設備などの建物附属設備に当たる部分は建物附属設備の耐用年数で償却します。賃借期間が決まっていて更新できず、退去時に費用を請求できない場合は、賃借期間を耐用年数にできます。

自分で住んでいる自宅は事業に使っていないので、減価償却費を経費にすることはありません。ただし、自宅を売ったときの譲渡所得の計算では、建物の取得費から、法定耐用年数の1.5倍の年数で計算した減価償却費相当額を差し引きます。

まとめ

建物の法定耐用年数は、構造と用途の組み合わせで決まり、住宅用なら鉄筋コンクリート造47年、重量鉄骨(肉厚4mm超)34年、軽量鉄骨27年または19年、木造22年です。軽量鉄骨は骨格材の肉厚3mm・4mmが境目です。建物は定額法だけで、中古の建物は簡便法で短い年数にでき、内装工事は自社の建物なら建物の年数、借りた建物なら見積もった年数で償却します。ほかの資産の年数は法定耐用年数の検索と耐用年数表で確認してください。

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