エアコンの耐用年数は6年?13年?|家庭用と業務用の分け方、減価償却と寿命の違い

事務所や店舗にエアコンを付けたとき、減価償却の耐用年数を6年にするのか、13年や15年にするのかで迷う人は多いです。エアコンは、どの種類の資産に当たるかで法定耐用年数が変わるからです。

この記事では、国税庁の通達に沿ったエアコンの分け方、「冷凍機の出力22kW」の見方、減価償却の計算例、メーカーの標準使用期間(寿命)との違いを説明します。耐用年数そのものの意味は耐用年数とはで解説しています。

エアコンの法定耐用年数

エアコンの種類別表の区分法定耐用年数
ルームエアコン(壁掛け・ウインドー型など)器具及び備品 › 冷房用又は暖房用機器6年
ダクトで広い範囲を冷暖房するパッケージ型など(冷凍機の出力22kW以下)建物附属設備 › 冷暖房設備13年
同上(冷凍機の出力22kW超)建物附属設備 › 冷房、暖房、通風又はボイラー設備 › その他のもの15年

出典:減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表第一(e-Gov法令検索、令和8年5月22日施行の版)。最終確認日:2026年10月18日。

6年か13年・15年かの分け方

国税庁の「耐用年数の適用等に関する取扱通達」は、エアコンの区分を次のように示しています。

つまり、分かれ目は「家庭用か業務用か」や「事務所に付けたか」ではなく、ダクトを通じて広い範囲を冷暖房する設備かどうかです。事務所や店舗に付けた壁掛けのルームエアコンは、一般に6年の器具備品になります。ビル全体やフロア全体をダクトでつなぐ空調は、建物附属設備になります。どちらか判断しにくい設備は、設置した業者の仕様書を手元に置いて、税理士や税務署に確認してください。

出典:国税庁「耐用年数の適用等に関する取扱通達」2-2-4、2-7-4。最終確認日:2026年10月18日。

「冷凍機の出力22kW」はモーターの出力

建物附属設備の冷暖房設備は、冷凍機の出力が22kW以下なら13年、22kWを超えると15年です。通達では、冷凍機の出力とは、冷凍機に直結する電動機(モーター)の出力をいいます。カタログに大きく書かれている「冷房能力(kW)」とは別の数字なので、仕様書の電動機の出力で判断します。冷暖房兼用のものだけでなく、冷房専用のものもこの冷暖房設備に含まれます(通達2-2-4)。

エアコンの減価償却の計算例

取得価額には、本体の代金だけでなく、取り付け工事費など事業に使うために直接かかった費用も含めます。

例耐用年数・償却率(定額法)1年分の減価償却費
ルームエアコン 本体+工事 30万円6年・0.16730万円 × 0.167 = 50,100円
ダクト式の空調設備 300万円(22kW以下)13年・0.077300万円 × 0.077 = 231,000円

10万円未満・40万円未満なら一度に経費にできる

本体と工事費の合計が10万円未満なら、使い始めた年(期)に全額を経費にできます。20万円未満なら3年で均等に経費にする一括償却資産にでき、青色申告の中小企業者等・個人事業主は、令和8年4月1日以後に取得した40万円未満のものを、年300万円まで全額経費にできる特例があります(それまでは30万円未満)。

自宅兼事務所に付けたエアコンを個人事業主が経費にする場合は、事業に使う割合(床面積や使用時間など)で按分した分だけが経費になります。

法定耐用年数とエアコンの寿命の違い

法定耐用年数の6年は、経費に分ける期間です。エアコンが6年で使えなくなるわけではありません。家庭用エアコンは、製品本体に「設計上の標準使用期間」が表示されていて、10年としている製品が多くあります。業務用のパッケージエアコンも、10年から15年ほどを更新の目安にすることが一般的です。

耐用年数が過ぎたエアコンは帳簿に1円が残り、取り外して処分したときに除却損として経費にします。取り外しや処分にかかった費用も、その年の経費です。耐用年数の途中で壊れて処分したときは、残りの帳簿価額をまとめて経費にできます。

よくある質問

ダクトを使わない壁掛けのルームエアコンは、事務所や店舗に付けた場合でも、一般に器具及び備品の「冷房用又は暖房用機器」として6年で償却します。建物附属設備(13年・15年)になるのは、ダクトを通じて相当広い範囲を冷暖房するパッケージ型などです。

いいえ。国税庁の通達では、冷凍機の出力とは冷凍機に直結する電動機(モーター)の出力をいいます。カタログの冷房能力(kW)とは別の数字なので、メーカーの仕様書でモーターの出力を確認してください。

はい。事業に使うために直接かかった据付費などは取得価額に含めるので、本体と工事費の合計で減価償却します。合計が10万円未満なら、使い始めた年(期)に全額を経費にできます。

法定耐用年数は経費に分ける期間で、使える期限ではないので、6年を過ぎても使い続けて問題ありません。家庭用エアコンの設計上の標準使用期間は10年としている製品が多く、買い替えは本体に表示された標準使用期間や故障・電気代の状況で判断します。

まとめ

エアコンの法定耐用年数は、ルームエアコンなら器具備品の6年、ダクトで広い範囲を冷暖房するパッケージ型などは建物附属設備の13年(冷凍機の出力22kW以下)または15年です。分かれ目は家庭用か業務用かではなくダクトの有無で、22kWはモーターの出力で見ます。取り付け工事費も取得価額に含め、10万円未満なら一度に経費にできます。ほかの設備の年数は法定耐用年数の検索と耐用年数表で、建物の年数は建物の耐用年数一覧で確認してください。

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