資金調達方法の選び方

資金繰り表を作り、必要な運転資金を把握しても、実際に資金が足りなければ調達する手段を検討する必要があります。 しかし「銀行融資」「制度融資」「ファクタリング」など、資金調達方法は複数あり、 それぞれ金利、スピード、審査難易度が大きく異なります。

この記事では、代表的な資金調達方法の特徴を比較しながら、状況に応じてどの方法を優先的に検討すべきかを解説します。

資金調達方法かんたん診断

資金の使いみち、必要なスピード、事業の状況を選ぶと、検討すべき資金調達方法の候補を確認できます。 あくまで簡易的な目安のため、実際の判断は金融機関や専門家にも相談してください。

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資金の使いみち、必要なスピード、事業の状況を選ぶと、 検討すべき資金調達方法の候補を確認できます。

資金調達方法の全体像

資金調達方法は、大きく「融資(借りる)」「信用取引の現金化(売る)」「返済不要の資金(もらう)」の3種類に分けられます。 まずは全体像を比較表で確認します。

方法 区分 スピード コスト目安 審査のポイント
日本政策金融公庫 融資 2〜4週間 低金利 創業間もない事業者でも利用しやすい
制度融資(信用保証協会) 融資 3〜6週間 低金利+保証料 保証協会の保証により実績が浅くても通りやすい
銀行のプロパー融資 融資 3〜8週間 低金利 決算内容・実績を重視した厳しめの審査
ビジネスローン 融資 即日〜数日 高金利 スピード重視、審査は比較的通りやすい
ファクタリング 売掛金の現金化 即日〜数日 手数料(数%〜) 自社の信用力より売掛先の信用力が重視される
補助金・助成金 返済不要 数ヶ月〜半年 原則返済不要 公募期間・採択審査があり即効性はない

銀行のプロパー融資とは

プロパー融資とは、信用保証協会などの保証を介さず、銀行が自社の判断だけで直接貸し付ける融資です。 保証料がかからず金利も比較的低く抑えられますが、その分、決算内容や事業実績に基づく審査が厳しくなります。

すでに黒字基調で実績がある企業や、銀行との取引実績が長い企業に向いている方法です。 創業間もない事業者や業績が厳しい事業者にとっては、ハードルが高くなりがちです。

制度融資(信用保証協会)とは

制度融資とは、地方自治体・金融機関・信用保証協会が連携して行う融資制度です。 信用保証協会が保証人の役割を果たすため、事業実績が浅い企業や、 プロパー融資では審査が通りにくい企業でも、融資を受けやすくなります。

保証料が別途かかる分、金利自体はプロパー融資よりやや低く設定されていることが多く、 創業期や実績を積んでいる途中の企業にとって、有力な選択肢のひとつです。

関連

資金繰り表の基本的な作り方は 資金繰り表の作り方 で解説しています。融資を検討する際も、まず資金繰り表で必要な金額と返済可能額を把握しておくことが重要です。

日本政策金融公庫とは

日本政策金融公庫は、政府が全額出資する政策金融機関です。 民間の金融機関では融資が難しい創業間もない事業者や小規模事業者でも、 比較的利用しやすい制度が用意されています。

創業融資や小規模事業者向けの一般貸付など、目的別に複数の融資メニューがあり、 金利も低めに設定されているため、創業期や小規模事業者にとって検討優先度の高い選択肢です。

ビジネスローン(ノンバンク)とは

ビジネスローンは、ノンバンク系の金融会社が提供する事業者向けローンです。 審査がスピーディーで、即日から数日程度で資金化できる点が最大の特徴です。

一方で、銀行融資や公庫融資と比べると金利は高めに設定されています。 急な資金需要への一時的な対応として使い、恒常的な運転資金の調達手段としては 金利負担が大きくなりすぎないよう注意が必要です。

ファクタリングとは

ファクタリングとは、保有している売掛金をファクタリング会社に売却し、 入金予定日より前に現金化する資金調達方法です。融資ではないため、 負債(借入金)としては計上されません。

審査では自社の信用力よりも、売掛先(取引先)の信用力が重視されるため、 自社の決算内容に不安がある場合でも利用しやすいのが特徴です。 即日から数日程度で現金化できるケースが多く、急な資金ショートを避けたい場面で活用されます。

ただし、手数料が数%からかかるため、恒常的に利用するとコスト負担が大きくなります。 売上債権の回収サイトが長い取引先がある場合の、一時的なつなぎ資金としての活用が基本になります。 回収サイトが資金繰りに与える影響については 取引条件(サイト) で詳しく解説しています。

補助金・助成金とは

補助金・助成金は、要件を満たせば返済不要の資金を受け取れる制度です。 ただし、公募期間が決まっており、申請してもすぐに入金されるわけではなく、 採択されるかどうかの審査もあります。

即効性のある資金調達手段ではないため、緊急の資金ショート対策には向きませんが、 数ヶ月先を見据えた設備投資や新規事業の資金計画には積極的に検討する価値があります。

資金調達方法を選ぶときの3つのポイント

複数ある資金調達方法の中からどれを選ぶべきかは、次の3つの観点で整理すると判断しやすくなります。

一般的には、スピードよりコストを優先できる状況であれば、 日本政策金融公庫や制度融資のような低金利の融資から検討するのが基本です。 一方で、今すぐの資金ショートを避けなければならない場面では、 ビジネスローンやファクタリングのようなスピード重視の手段を検討することになります。

必要な資金額そのものを見誤ると、調達方法の選択も的外れになります。 必要運転資金の算出方法は 運転資金の計算方法 で解説していますので、資金調達を検討する前にあわせて確認しておくことをおすすめします。

まとめ

資金調達方法には、低金利だが時間がかかる融資(日本政策金融公庫・制度融資・プロパー融資)と、 コストは高いがスピードの速い手段(ビジネスローン・ファクタリング)、 そして返済不要だが即効性のない補助金・助成金があります。

自社の状況(資金の使いみち、必要なスピード、事業のステージ)を整理したうえで、 複数の選択肢を組み合わせて検討することが、資金繰りを安定させるための現実的なアプローチです。

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