営業車や配送用のトラック、個人事業主が仕事に使う車は、買った年に全額を経費にするのではなく、法定耐用年数に分けて経費にしていきます。車の法定耐用年数は、乗用車か貨物自動車か、軽自動車かどうかで変わります。
この記事では、車の法定耐用年数の一覧、中古車の耐用年数の計算方法、「4年落ちの中古車は節税になる」と言われる理由と注意点を説明します。耐用年数そのものの意味は耐用年数とはで解説しています。
運送業・レンタカー・自動車教習所などで使う車以外の、一般の事業で使う車の法定耐用年数は次のとおりです。
| 車の種類 | 法定耐用年数 |
|---|---|
| 普通乗用車(総排気量0.66Lを超えるもの) | 6年 |
| 軽自動車(総排気量0.66L以下) | 4年 |
| 貨物自動車(トラックなど。ダンプ式を除く) | 5年 |
| 貨物自動車のうちダンプ式のもの | 4年 |
| 報道通信用の自動車 | 5年 |
| 二輪・三輪自動車(バイクなど) | 3年 |
| 自転車 | 2年 |
| フォークリフト | 4年 |
軽自動車は総排気量0.66L以下の小型車として4年で、軽トラックなどの軽の貨物自動車もこの4年に当たります。運送事業用・貸自動車業用・自動車教習所用の車は別の区分で、小型車3年、大型乗用車(3L以上)5年、その他4年、乗合自動車(バス)5年などと短めに決まっています。消防車・救急車・タンク車などの特殊自動車も別の区分です。
出典:減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表第一「車両及び運搬具」(e-Gov法令検索、令和8年5月22日施行の版)。最終確認日:2026年10月18日。すべての区分は耐用年数表(別表第一)で確認できます。
300万円の普通乗用車を新車で買い、1年まるごと事業に使った場合の1年目の減価償却費は次のとおりです。
| 償却方法 | 償却率(6年) | 1年目の減価償却費 |
|---|---|---|
| 定額法 | 0.167 | 300万円 × 0.167 = 501,000円(毎年同じ額) |
| 定率法(平成24年4月1日以後の取得) | 0.333 | 300万円 × 0.333 = 999,000円(2年目以降は少しずつ減る) |
車は定額法と定率法を選べます。届け出ていない場合、個人事業主は定額法、会社は定率法です。年の途中で買った場合は、使い始めた月からの月割になります。年ごとの額は減価償却費の計算で出せます。
中古車は、新車の法定耐用年数ではなく、残りの使える年数を見積もって使えます。見積もりが難しいときは、次の簡便法で計算します(減価償却資産の耐用年数等に関する省令 第3条)。
経過年数は、一般に車検証の初度登録年月(軽自動車は初度検査年月)から、取得した時までで数えます。
| 例 | 計算 | 耐用年数 |
|---|---|---|
| 普通乗用車(6年)・2年落ち | (6 − 2)+ 2 × 20% = 4.4年 | 4年 |
| 普通乗用車(6年)・3年落ち | (6 − 3)+ 3 × 20% = 3.6年 | 3年 |
| 普通乗用車(6年)・4年落ち | (6 − 4)+ 4 × 20% = 2.8年 | 2年 |
| 普通乗用車(6年)・6年以上落ち | 6 × 20% = 1.2年 → 2年未満 | 2年 |
| 軽自動車(4年)・2年落ち | (4 − 2)+ 2 × 20% = 2.4年 | 2年 |
| 軽自動車(4年)・4年以上落ち | 4 × 20% = 0.8年 → 2年未満 | 2年 |
| 普通乗用車(6年)・登録から4か月の新古車 | (72か月 − 4か月)+ 4か月 × 20% = 68.8か月 = 約5.7年 | 5年 |
経過年数に月がある場合は、月数で計算してから年に直し、1年未満を切り捨てます。自分の車の年数は中古資産の耐用年数の計算で、年と月を入れて出せます。
普通乗用車は、4年落ち以上になると簡便法の耐用年数が最短の2年になります。2年の償却率は、定額法が0.500、定率法が1.000です。
たとえば、4年落ちの普通乗用車を300万円で買い、会社(定率法)が期首から使った場合、1年目に2,999,999円を経費にできます。新車(6年・定率法)の1年目の999,000円より、早く大きく経費にできるので、「節税になる」と言われます。
一般に、車検証に書かれている初度登録年月(軽自動車は初度検査年月)から、事業で使うために取得した時までの期間で数えます。月数まで数えて計算し、最後に1年未満を切り捨てます。
4年落ちの普通車は簡便法で耐用年数が2年になり、2年の定率法の償却率は1.000です。定率法を使っていて、事業年度の最初の月から使った場合は、1年目に取得価額から1円を引いた額まで経費にできます。年の途中から使った場合は月割になり、残りは翌年に経費にします。個人事業主で償却方法を届け出ていない場合は定額法(償却率0.500)なので、2年に分けて経費にします。
個人事業主がプライベートでも使う車は、減価償却費のうち事業に使った割合(走行距離や使用日数など)の分だけが経費になります。ガソリン代や保険料なども同じ割合で分けます。
車両本体や付属品の代金は取得価額に含めて減価償却しますが、自動車税(種別割)・自動車重量税・自賠責保険料などの税金や保険料、登録のための費用は、取得価額に含めずにその年の経費にできます。
事業で使う車の法定耐用年数は、普通乗用車6年、軽自動車4年、貨物自動車5年(ダンプ式4年)です。中古車は簡便法で短い年数にでき、普通乗用車の4年落ちは2年になります。2年の定率法なら期首から使えば1年目にほぼ全額を経費にできますが、月割や売却時の売却益に注意が必要です。ほかの資産の年数は法定耐用年数の検索と耐用年数表で確認してください。