工数見積もりが外れる原因は、計算式そのものより、前提の置き方にあることがほとんどです。ここでは、実務で起きやすい5つのミスと対策をまとめます。
1日8時間働いても、会議や連絡対応、休憩で、作業に使える時間は6時間前後になることがあります。作業時間の見積もりを、そのまま8時間で割ると、日数が短く出ます。
対策:作業時間で見積もった場合は、1日あたりの作業可能時間(稼働率を掛けた時間)で割って、日数を出します。
最も順調な場合の時間で見積もると、手戻りや確認待ちが1つ入っただけで遅れます。
対策:楽観値(O)、最頻値(M)、悲観値(P)の3点で見積もり、(O + 4M + P) ÷ 6 で期待値を出す方法があります。たとえば O=10人日、M=15人日、P=32人日なら、(10 + 60 + 32) ÷ 6 = 17人日です。悲観値との差が大きい作業は、不確実性が高いと分かります。
見積もりの最後に「念のため」で足すバッファは、根拠が説明できません。かといって、全作業に同じ割合を入れると、確実な作業と不確実な作業の差が消えます。
対策:バッファ率は、不確実性の高い作業ほど大きくし、見積書では別行に分けて示します。総工数50人日にバッファ20%を加えるなら、50 × 1.2 = 60人日です。人日単価が4万円なら、労務費は240万円になります。
一部のタスクは人時、別のタスクは人日で書かれていて、合計時に取り違える。あるいは、人月を20人日で置く人と18人日で置く人が混在する、といったミスです。
対策:集計前にすべて人日など1つの単位にそろえ、1日の稼働時間と1か月の稼働日数を明記します。換算の考え方は、人月と人日の違いと換算の落とし穴で解説しています。
実作業だけを積み上げて、打ち合わせ、レビュー、確認待ち、ドキュメント作成を入れ忘れるミスです。
対策:見積もりのチェックリストに「会議」「レビュー」「テスト」「ドキュメント」「引き継ぎ」の項目を固定で入れ、0の場合も理由を残します。
工数見積もりは、稼働率、不確実性、単位、抜け漏れの4点を意識するだけで、精度が上がります。見積もったあとは、実績と比べて差を残し、次の見積もりの前提に反映すると、ずれが減っていきます。
工数計算ツールでは、総工数、単価、バッファ率から労務費をその場で確認できます。見積もり後の効果測定は、工数削減の効果を金額に換算する方法もご覧ください。
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