短期プライムレートとは|長期との違い、政策金利・変動金利との関係をわかりやすく解説

日銀の利上げが続き、銀行から「短期プライムレート改定のお知らせ」が届いたり、変動金利の融資や住宅ローンの金利が上がったりする場面が増えています。

短期プライムレート(短プラ)とは、銀行が信用力の高い企業に1年以内で貸すときの最優遇金利です。変動金利の融資や住宅ローンの金利は、この短プラをもとに決まることが多く、短プラが上がると利息も増えます。この記事では、短プラと長期プライムレートの意味と違い、政策金利が上がると短プラがいつ・どれだけ上がってきたか、借入への影響を順に説明します。今の値と過去の推移は、短期・長期プライムレートの推移のページで確認できます。

短期プライムレートとは

プライムレートは「最優遇貸出金利」のことで、銀行が業績や財務が特に良い企業に貸すときの、一番低い金利です。このうち、返済までの期間が1年以内の貸出に使うものを短期プライムレート、1年を超えるものを長期プライムレートといいます。

実際の融資の金利は、プライムレートに、借り手の信用力や担保に応じた上乗せをして決まります。多くの中小企業にとって、プライムレートそのもので借りることはまずありません。それでも、変動金利の融資は「短プラ+上乗せ」の形で決まることが多いため、短プラが動くと自社の金利も動きます。

日銀が公表している短プラは「都市銀行の最頻値」

短プラは銀行がそれぞれ決める金利で、法律で決まった1つの値があるわけではありません。ニュースなどで「短プラ」と言うときは、日本銀行が公表している値を指すことが多く、これは都市銀行5行(みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行・りそな銀行・埼玉りそな銀行)が決めた金利のうち、最も多くの銀行が採用した金利(最頻値)です。あわせて最高値と最低値も公表されています。

改定の直後など、最も多い金利が2つ以上ある日は、最頻値が「不定」と表示されます。地方銀行や信用金庫の短プラは、都市銀行より高めに決めているところが多く、自社の取引銀行の値は、その銀行のホームページの告知で確かめる必要があります。

長期プライムレートとは

長期プライムレート(長プラ)は、1年を超える貸出の最優遇金利です。日銀が公表している長プラは、みずほ銀行が自主的に決めて公表している金利です。長期金利(国債の利回り)の動きを受けて、毎月10日前後に見直されます。毎月変わるとは限りませんが、短プラよりずっと頻繁に動きます。

短期プライムレートと長期プライムレートの違い

短期プライムレート(短プラ)長期プライムレート(長プラ)
貸出の期間1年以内1年超
日銀が公表している値都市銀行5行の最頻値・最高値・最低値みずほ銀行が決めた値
動くきっかけ日銀の政策金利(短期の市場金利)長期金利(国債の利回り)
動く頻度まれ(利上げ・利下げのあと)毎月10日前後に見直し
関係が深い金利変動金利の融資、住宅ローンの変動金利長期の固定金利の融資

長プラは国債の利回りを映すので、短プラより先に動く傾向があります。2024年から2026年にかけても、長プラは毎月のように上がり続け、短プラはその間、利上げのたびに段階的に上がりました。2つの線の動き方の違いは、推移のグラフで見るとよくわかります。

政策金利が上がると、短プラはいつ・どれだけ上がるか

短プラは、日銀の政策金利(無担保コール翌日物の金利)と強く結びついています。都市銀行の短プラ(最頻値)は、2009年1月13日から2024年9月2日まで、15年以上にわたって1.475%のまま変わりませんでした。その後、日銀の利上げに合わせて、次のように上がっています。

無担保コール翌日物(月平均)の上昇短プラ(最頻値)の改定間隔
2024年8月 +0.15%2024年9月2日 1.475% → 1.625%(+0.15%)約1か月
2025年2月 +0.25%(1月から上昇)2025年3月3日 1.625% → 1.875%(+0.25%)約1か月
2025年12月〜2026年1月 +0.25%2026年2月2日 1.875% → 2.125%(+0.25%)約1〜2か月
2026年6月〜7月 +0.25%2026年8月3日 2.125% → 2.375%(+0.25%)約1〜2か月

4回とも、政策金利が上がってから1〜2か月後に、短プラが政策金利と同じ幅だけ上がっています。日銀が利上げを決めたら、1〜2か月後に取引銀行の短プラが上がり、その後、変動金利の借入の利息が増える、という順番で考えておくとよいでしょう。ただし、短プラを決めるのは各銀行で、時期や幅は銀行ごとに違います。

出典:日本銀行「長・短期プライムレート(主要行)の推移」、日本銀行 時系列統計データ「無担保コールレート(オーバーナイト物)月平均」から作成。最終確認日:2026年10月17日。

変動金利の融資・住宅ローンとの関係

中小企業の変動金利の融資

銀行の変動金利の融資は、「短プラ+1.0%」のように、短プラに上乗せする形で決まることがよくあります(短プラ連動)。この場合、短プラが0.25%上がれば、適用金利も0.25%上がります。借入残高が5,000万円なら、利息は年に約12万5,000円増える計算です(5,000万円 × 0.25%)。

自社の残高と上乗せ幅を入れると、短プラが上がったときの利息の増加額は短期・長期プライムレートの推移のページの試算で出せます。返済額全体がどう変わるかを見たい場合は、事業融資の返済シミュレーションで金利を変えて比べてください。

住宅ローンの変動金利

住宅ローンの変動金利は、銀行が決める「基準金利(店頭金利)」から優遇幅を引いて決まります。この基準金利を短プラ+1%のように短プラをもとに決める銀行が多いため、短プラが上がると基準金利も上がります。多くの変動金利型では、金利の見直しは年2回で、返済額の見直しは5年ごとといった決まりがありますが、内容は銀行や契約によって違います。

金利が上がるときの備え

短プラが上がると、変動金利の借入の利息がすぐに増えます。固定金利の借入は今の契約の間は変わりませんが、これから借りる分や借り換えの金利は、長プラなどの長期金利の上昇を受けて高くなります。

よくある質問

各銀行が自分で決めています。日本銀行が公表している短期プライムレートは、都市銀行5行(みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行・りそな銀行・埼玉りそな銀行)が決めた金利のうち、最も多くの銀行が採用した金利(最頻値)です。地方銀行や信用金庫は、それぞれ別の値を決めています。

変動金利に関係するのは短期プライムレートです。中小企業向けの変動金利の融資は「短プラ+上乗せ」で決まることが多く、住宅ローンの変動金利の基準金利も短プラをもとに決める銀行が多くあります。長期プライムレートは長期金利(国債の利回り)の動きを受けて見直され、長期の固定金利の目安になります。

2024年以降の4回の利上げでは、無担保コール翌日物(日銀の政策金利の対象)が上がってから1〜2か月後に、都市銀行の短期プライムレートが同じ幅だけ上がってきました。ただし、決めるのは各銀行で、時期や幅は銀行ごとに違います。

借入の契約で決まり、銀行によって違います。新しい借入や書き換えから適用する場合、次の利息の支払日から適用する場合、住宅ローンのように年2回の見直し日に反映する場合などがあります。取引のある銀行の改定のお知らせと、借入の契約書を確かめてください。

まとめ

短期プライムレートは、銀行が1年以内の貸出に使う最優遇金利で、変動金利の融資や住宅ローンの金利のもとになります。日銀が公表する値は都市銀行の最頻値で、2024年以降は、政策金利が上がってから1〜2か月後に同じ幅だけ上がってきました。長期プライムレートは国債の利回りを受けて毎月見直され、固定金利の目安になります。今の値と過去の動きは、短期・長期プライムレートの推移で確認してください。

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