「◯◯診断」で顧客のニーズを見える化し、自社サービスのPR・商品開発につなげる仕組み

「うちのサービスは良いはずなのに、問い合わせがなかなか増えない」――そう感じたことはないでしょうか。 Webサイトに問い合わせフォームを置いていても、実際に相手が何に困っているのかは、送られてくる文面だけではなかなか見えてきません。 業種を問わず、「話を聞いてみないと本当のところが分からない」というのは、多くの企業に共通する悩みです。

この記事で紹介するのは、「AI活用診断」「業務効率化診断」「販促診断」のように、自社の商品・サービスに合わせて名前を変えられる「◯◯診断」という仕組みです。 Webサイトに設置しておくだけで、訪れた人が気軽に答えられる3つの質問を通じて悩みを見える化し、そのまま自社サービスの提案につなげられます。 専門的なシステム開発の知識がなくても、「3つの質問」と「答えに応じた一言コメント」さえ用意すれば形にできる、どの業種の会社でも使える営業・PRの型です。

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営業手法全体の考え方は 企業向けデジタル営業方法 で整理しています。診断は、その中でもWebサイトに来てくれた見込み客の悩みを取りこぼさないための仕組み、という位置づけです。

なぜ「診断」がPRの入り口として効くのか

問い合わせフォームは、「もう相談したい」と決めた人しか使いません。ハードルが高いぶん、その手前にいる大多数の人は素通りしてしまいます。 一方、診断コンテンツは「ちょっと自社の状況が気になる」「他社と比べてどうなんだろう」という軽い気持ちの人でも答えやすく、回答のハードルがぐっと下がります。

フォームより最後まで答えてもらいやすい

診断は、文章で悩みを説明する必要がなく、いくつかの選択肢から選ぶだけで進められます。 さらに「答えると診断結果が返ってくる」と分かっているため、「送っただけで終わる」問い合わせフォームよりも、途中で離脱されにくいという特徴があります。

診断結果そのものが、相手にとっての価値になる

ここで大事なのは、診断を単なる「営業のためのアンケート」にしないことです。 答えてくれた相手にも「自社の課題が整理できた」「他社と比べて自社はどのあたりにいるのか分かった」という具体的な気づきを返す設計にすることで、 最後まで答えてもらいやすくなり、診断結果への信頼感も生まれます。

たとえば、「あなたと同じ答えを選んだ会社に多い傾向」という一言を添えるだけでも、 答えた側は「自社だけの話ではなく、世の中的にはどのあたりの立ち位置なのか」を実感できます。 これは大がかりな統計データがなくても、答えのパターンごとにコメントをあらかじめ用意しておくだけで実現できる、ちょっとした工夫です。 (運用を続ける中で回答実績が貯まっていけば、より実態に近いコメントへ育てていくこともできます。)

3つの質問で「悩み」と「提案」をつなげる設計

診断は質問数が多いほど良いわけではありません。質問が増えるほど答える人は減っていくため、実務では3問程度に絞り込み、 それぞれの質問に「何のために聞くのか」という役割をはっきり持たせるのがコツです。

質問 何を聞くか 診断結果でどう使うか
質問1 一番の悩み・困りごとは何か 「あなたの課題はこれです」という文章のもとになる
質問2 自社で対応する余裕(人手・時間)はあるか 提案する「進め方」(お任せ型・二人三脚型・相談型など)を決める
質問3 これから特に力を入れたいのはどこか メインで提案する商品・サービスを決める

答えの組み合わせで、提案文をあらかじめ全部用意しておく

3問すべての組み合わせを一つひとつ書き出すと数十パターンになってしまいますが、実際には次の3つのルールに分けて考えると、無理なく設計できます。

このルールに沿って組み合わせごとの文章をあらかじめ全部書いておけば、AIにその場で文章を作らせるような仕組みは不要です。 答えるたびに、自然な提案文がその場で組み立てられて表示されます。文章はすべて事前に用意した固定の内容なので、 意図しない言い回しが出てしまう心配もありません。

体験|AI活用・AI利用セキュリティ診断を試してみる

以下は、いま説明したロジックをそのまま形にした診断デモです。実際に3つの質問に答えると、悩みの整理と提案が表示されます。 ここでは「AIをどう活用するか」と「AIを使ううえでのセキュリティ(社外秘の情報を入力してしまう、社員が独自にツールを使い始めてしまうなど)」をテーマにしていますが、 質問文と提案文を差し替えるだけで、販促診断、採用診断、コスト診断など、どのようなテーマにも同じ仕組みをそのまま流用できます。

体験デモ|AI活用・AI利用セキュリティ診断

ライバル企業と比べて、自社の課題は明確ですか?

3つの質問に答えると、貴社の課題と改善の方向性、当社からのご提案がその場で表示されます。実際にお試しいただけますが、表示される内容はすべてサンプルです。

ご回答内容の利用目的について: ご回答は、診断結果の表示、および当社からのご提案・お問い合わせ対応の参考として利用します。取得した回答を第三者へ提供したり、診断以外の目的で利用したりすることはありません。

診断の冒頭に、「何のために答えを集めているか」を一言添えている点にも注目してください。 これは回答者に安心して答えてもらうためだけでなく、個人情報や行動データを扱ううえでの基本的な配慮でもあります。 長い規約文である必要はなく、1〜2行の一言で十分です。

「誰に届けたら反応があったか」も、あわせて見えるようにする

診断は、答えの内容そのものだけでなく、「誰に送ったリンクから」「どんな経路で」答えてもらえたかもあわせて分かると、活用の幅がぐっと広がります。 イメージとしては、配布するリンクやチラシに、あて先を書いた名札を付けておくようなものです。 これを実現する仕組みが、次に説明するURLパラメータと、タグマネージャー・GA4の組み合わせです。

URLパラメータで、配布先ごとにリンクを使い分ける

その仕組みがURLパラメータです。同じ診断ページのリンクの末尾に、 配布先を表す短い記号(例:?o=A1)を付け足すだけで、見た目も内容もまったく同じページを、 「誰に送ったリンクか」を区別しながら配布できるようになります。会社名をそのままリンクに入れる必要はなく、 「A社向け」「B社向け」といった記号で十分です。あわせて「メール」「SNS」「チラシ」といった配布方法も記号にしておけば、 どの経路が反応につながりやすいかも比較できるようになります。

URLパラメータの例
パラメータ 意味 入力例
o= 配布先の目印(社名ではなく短い記号にする) o=A1
src= 配布方法の目印(メール・SNS・チラシ紙DMなど) src=mail/src=print
#… リンクを開いたときに診断コーナーまで自動で画面を移動させる目印(任意) #needs-diagnosis-demo

タグマネージャー・GA4と組み合わせるとできること

URLパラメータは、付けただけでは単なる文字列です。ここにタグマネージャーGA4を組み合わせることで、初めてデータとして活用できるようになります。 タグマネージャーは、ページにアクセスがあった瞬間や診断が完了した瞬間をきっかけに、パラメータの値をGA4へ自動で送り込む役割を持つツールです。 GA4側は、送られてきた値を「どの配布先から」「どの経路で」「どんな傾向の答えが多かった診断が完了したか」という形でレポートに蓄積してくれます。

この組み合わせで得られるメリットは、配布したチラシやメールを一つひとつ手作業で振り返らなくても、 配布先・経路ごとの反応率を一覧で比較できることです。「メールよりチラシの方が反応が良い配布先層がある」 「A社向けに送ったリンクは開かれているが、診断は完了されていない」といった違いも見えるようになり、 次の配布先選びや文面の改善に活かせます。 検索広告・SNS広告・メール営業を横並びで比較する考え方は 企業向けデジタル営業方法 でも触れていますが、診断コンテンツも同じ仕組みで計測しておくと、他の施策と並べて効果を比較できるようになります。

設定を一歩踏み込むと、「どの企業が」「どんな悩みを選んだか」まで蓄積できる

ここまでの設定は、あくまで「開かれた数」「診断が完了した数」といった集計止まりです。 タグマネージャーの設定をもう一歩踏み込み、URLパラメータの値(配布先の記号)と、 診断完了時に送られる回答内容(質問1〜3でどれを選んだか)を、同じタイミングで1つのデータとしてGA4に送るように組み立てると、 「A社はセキュリティまわりの悩みを選んだ」「B社は活用方法が分からないという悩みを選んだ」というように、 配布先(企業)ごとに、選んだ回答の中身まで蓄積できるようになります。

これは、問い合わせが来る前の段階で手に入る、いわば配布先ごとの"ニーズカルテ"です。 どの企業がどんな悩みを抱えていそうかが事前に見えているため、アプローチする順番を決めたり、 その企業に合わせた提案内容をあらかじめ用意しておいたりすることができます。

実装のポイントは大きく2つです。1つは、タグマネージャー側でURLパラメータの値を読み取る変数を用意すること。 もう1つは、診断完了のタイミングで、その変数の値と回答内容を同じデータとしてGA4に送ることです。 設定自体はシステム担当や制作会社が行う部分ですが、発注する側として 「配布先の記号と、診断の回答内容を、同じデータとしてGA4に送ってほしい」と伝えられるだけで、できあがる仕組みの精度は大きく変わります。

なお、これは「その企業の担当者本人が回答した」ことを保証するものではなく、あくまで 「その企業向けに発行したリンク経由での回答」という推定である点には注意が必要です。 それでも、問い合わせ前の温度感や関心の方向性を推し量る材料としては、十分に価値があります。

体験|配布用のリンクとQRコードを発行してみる

配布方法によって、リンクの渡し方は変わります。メールやSNS投稿であれば、リンクをそのまま貼り付ければ済みます。 一方、チラシや紙のDMのように、そもそもリンクをタップできない媒体では、QRコードとして印刷する必要があります。 以下のデモでは、配布先の記号と経路を入力すると、実際にスマートフォンで読み取れるQRコードと、対応するリンクがその場で発行されます。

体験デモ|パラメータ付きURL・QRコード発行

配布先のコードと経路を入力すると、診断ページへのパラメータ付きURLと、その場でスキャンできるQRコードが発行されます。

ここではこの記事自体のURLを例に入れています。実際に運用する際は、診断ツールを設置したページのURLに差し替えてください。
顧客名そのものではなく短い記号にすると、URLが短くなりQRコードも読み取りやすくなります。半角英数字・ハイフンのみ、12文字以内で入力してください(日本語は入力できません)。
ページを開いたときに診断ツールの位置まで自動でスクロールさせたい場合に指定します。

QRコードは、その場で画像として保存し、チラシや紙DMのデザインにそのまま配置できます。 リンクとQRコードのどちらも同じ記号から作られるため、紙とWebのどちらから接触してきた相手でも、同じ仕組みで配布先を特定できます。

貯まった診断データを、商品・サービスの改良に活かす

診断の一番の価値は、実は「一人ひとりへの提案」だけではありません。 答えが積み重なっていくと、「質問1でこの悩みを選ぶ会社は、質問3でもこの方向性を選びやすい」「特定の配布先・経路からの回答者は、特定の悩みに偏っている」といった傾向が見えてきます。

こうした傾向は、いまの商品・サービスのラインナップに過不足がないかを見直す材料になります。 たとえば、ある悩みを選ぶ人が想定より多いのに、それに対応する提案商品が1つしか用意されていない場合、 その領域に新しいメニューや価格帯を追加する検討材料になります。 逆に、ほとんど選ばれない選択肢があれば、質問そのものの見直しや、サービス自体の見せ方を変えるきっかけにもなります。

診断は、「目の前の一人に何を提案するか」を決める仕組みであると同時に、 「自社が次にどのような商品・サービスを作り、どう見せていくべきか」を、勘や思い込みではなく実際の答えのデータから判断するための仕組みでもあります。

まとめ

「◯◯診断」は、業種や商材を問わず応用できる、PR・提案・商品開発を一本の線でつなげる仕組みです。ポイントは次の4つに整理できます。

まずは自社の商品・サービスで「3つの質問」を考えられないか、いまある問い合わせフォームやチラシと見比べながら検討してみてください。

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